高校生と個別相談をしていると、「○○大学への進学はありですか?」と聞かれた。
○○大学は、西日本にある偏差値が付かないボーダーフリー、いわゆる「Fラン大学」
だ。
本音を言うと、お薦めできない。
しかし、一介のFPが先生気取りで進路指導に立ち入ることはご法度だ(奨学金講師
の方は大丈夫ですか? 後で高校の先生に迷惑を掛けるくらいなら、まだ用意された
台本を朗読だけしている方が1億歩譲ってもマシです)。
そこで理由を聞いてみる。
志望理由は明確でしっかりしているし、家庭事情からその大学を志望する理由が
わからなくはない。
それでも、「○○大学への進学はありですか?」と聞いてくるくらいだから、
内心では不安なのだろうということはよくわかる。
ところで、2021年の出生数は80万人を割る見通しのようだ。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201226-OYT1T50230/
先進諸国では総じて少子化の傾向にあるため、学生の獲得は、日本の大学だけの課題
というわけではない。
学費は無料、卒業までの生活費の給付、そして永住権を保証するくらいまでしないと、
日本に、世界に貢献してくれるような優秀な留学生は、一部の大学を除いて、いずれは
来なくなるだろう。
コロナ禍にある今は「学生への支援」が言われている。
しかし、今後の重税が不可避であることを考えると、税金を投入してまで、Fラン大学
を存続させることは国民が許さなくなる。
2020年頃はまだそんな呑気な事を言っていたんだなと回顧することになるはずだ
(もちろん学生への支援を否定しているわけではない。やり方に疑問があるのだ)。
18歳人口が80万人を切るまでになると、首都圏や大都市の一流大学でさえも、
経営が苦しくなるところが出てきてもおかしくはない。
「大学は潰れにくい」と言われるが、そのような言葉は過去のものとなる。
寄らば大樹で、受験生もいつ無くなるかわからないような大学は避けるようになる
のは当然のことではないか?
保護者だってそんな大学に大枚を払いたくないし、先生だって「やめておきなさい」
となる。
厳しいことを書くけれど、一部を除いて、ほとんどのFラン大学は、Fランである
だけの「何らかの理由」があり、突然変異的に将来躍進することは少ないと思って
おいてよい。
少子化を考えると、競争は厳しくなるばかりで、理事長・学長を含む全教職員が一丸と
なって、過去を否定し、必死になって血を流す改革をしなければ、Fラン大学は統廃合
に遭いやすいのは言うまでもないだろう。
これは高校でも同じで、特に私立の先生と話していると、生徒の進路だけでなく、
自分の今後に悩んでいる。
公立だって、自治体によっては安心できない。
統合はかなりマシで、統合する価値が無いと見捨てられて廃校だ。
母校が廃校になるのは辛い。
Fラン大学に進学するのであれば、「将来無くなる」という覚悟も必要になる。