奨学金を借りることで金銭教育?

先日の個別相談で、家計に余裕があっても奨学金を申し込みたいというご相談がありました。

理由を聞くと、「子供にお金や学費の重さ、大切さを教えたいから」とのことでした。

「卒業後は私が返済することは隠しておきますが…。」と仰られていました。

子供の借金になるからと、無理して申し込まなかったり、教育ローンだけを申し込む保護者を見かけますが、このお考えには納得させられました。

借りない、借り過ぎないことは大切です。

しかし、身をもって学ぶこともまた大切ではないかと思います。

給付型奨学金と先生の苦労とプレッシャー

給付型奨学金が創設されましたが、多くの高校では募集を締め切ったかと思います。

訪問をしてお聞きしていると、高校によって差が大きく、また、進路に影響を及ぼしかねないため、先生が保護者や生徒から受けるプレッシャーは想像に難くはありません。

予約採用の募集だけでも、相当な負担であり、先生は苦労されています。

給付型奨学金の選考も、日本学生支援機構で行う方が良いと思われます。

中学3年生からできる大学入学費の準備

教育ローンは主に入学費に使うものです。

しかし、「国の教育ローン」あっても、現在1.81%の利息がつきます。

ところで、地方公共団体では、高校生を対象とした奨学金制度を設けていることがあります。

それらは普通は無利息です。また、中学3年生で申し込みができることがあります。

そのため、例えば、毎月1万円を3年間借りたとすれば、合計で36万円になります。

もちろん、返済額は多くなりますが、使わずに貯めておけば、教育ローンに利息を払わずに、入学費の準備ができることになります。

地方創生と奨学金返還支援制度

地方創生の一環として、奨学金の返還支援制度を創設する自治体が増えています。

今後も、多くの返還支援制度が創設されることが予想されます。

条件が厳しいものが多いものの、該当するのであれば利用しない手はありません。

そのため、学内の掲示板やホームページなどは定期的に確認しておくと良いでしょう。

また、日本学生支援機構「地方創生の推進」も情報がまとまって載っているためおすすめです。

大学と専門学校のどちらが良いのか?

「大学と専門学校のどちらが良いのか?」と、高校生に聞かれることがある。

反対に、「将来の希望は?」と聞き返すと…「理容師」と返答してきた。

それだったら、実質的に専門学校になる。

調理師や自動車整備士なども同じで、大学を卒業してから専門学校に入学しても良いけれど、高校生に適した回答ではないだろう。

大学でも勉強ができる、例えば、建築や会計や語学といった分野は、自分の希望によっても違うので一概には言えない。

研究者を目指すなら、大学院に行くことが普通なので、大学に行った方が良いし、早く働きたいなら専門学校だろう。

大学と専門学校のどちらが良いかではなく、結局は「目的による」のだ。

ところで、大学の通信教育と併修できることがある。

大学を卒業していると、大学院や資格試験の受験資格があったりすることがある。

また、給与に反映されるかもしれない。

学費が多く掛かったり、勉強は大変だろうけど、選択肢が増えるので、併修はできるだけしておくと良いだろう。

就職希望であってもオープンキャンパスに行こう?

就職希望の高校生にオープンキャンパスの参加をすすめると、不思議な顔をされることがよくあります。

専門学校のオープンキャンパスでは、職業体験ができることがあります。

職業体験をすることにより、志望理由が明確になることがあります。

高卒の就職状況は全体的に改善していますが、職種によっては依然として厳しいことは変わりません。

例えば、経理のような事務職は、非常に難しいと覚悟しておく必要があります。

そのため、就職が上手くゆかなかった場合に備えておくことも必要ではないかと思います。

入学準備金といっても

大学や専門学校のAO入試は8月、推薦入試なら11月から本格化します。

そのため、2月頃に行われる一般入試よりも納金期限が早くなります。

入学準備金を設ける自治体はありますが、入試の早期化に対応していないため、納金期限に間に合わないことがあります。

そのため、自治体への事前の確認と、国の教育ローンなど他の手段の利用も検討しておくことが求められます。