卒業後に年収が一定額を超えたら学費を払うという「学費の出世払い」の案が
出ているが、
おかしいと思う。
「とりあえず進学しておくか」「進学しなくては損」ということになるからだ。
いつも私が教育資金の相談現場で壁だと思うのは「入学費」だ。
(百歩譲って)出世払いにするのであれば、入学費に限定すべきだ。
入学後は貸与型でほとんどの場合、何とかなるはずだからだ。
在学中は給付型を「獲得」して、負担を軽くするように努めればよい。
ところで、学費を無料にしろという意見を聞くけれど、そんなことは誰にでも言える。
無料というのは耳触りの良い言葉だが、大学や専門学校だって慈善事業ではないから、
「誰かが払わなくてはいけない」ものであり、結局は国民負担、つまり「税金で学費を
賄うことになる」だろう(今でもそうだけど)。
ところで余談だけど、奨学金を控除の対象にするという意見も私にはよく理解できない
(浅学非才を棚に上げていますが)。
「奨学金を借りなければ損」という歪なことになりかねない(いずれにせよ、
どの奨学金を控除の対象にするのか、実務上線引きが困難だろうけど)。
また、収入が無かったり低いと役に立たない(控除のしようがないから)。
教育の目的は何なのか? 主役は誰なのか?
もう一度、考えるべきではないかと思っている。