高校生のみの個別相談だと、「あなたの場合であれば、3年生の夏頃までに○○万円
くらいが必要になるので、家に帰ったら念のため保護者様に伝えておいてください」
と話すことがある。
そうすると、高校生は「…入学費はあるとは言っているけれど、本当にあるのか、
実はそこが不安で…」「本当は聞きたいけれど…入学費は用意できているかなんて
悪くて親に言えない」
「信頼している高校の先生に相談しても、どうしたらいいのか分からないと言われた」
生まれてからずっと不景気しか経験していない今の高校生は、親の経済状況を
機敏に察している(アベノミクスなんて、ほとんどの高校生には別世界のことだ)。
今年の個別相談の特徴は、高校生は「不安になってきている」と言える。
先日の夕方に、ある高校の先生から、私の携帯電話に連絡があった。
「生徒が困っている。なんとか助けてやってもらえないか」
毎年ご依頼いただいている高校なので状況は把握しているが、不穏な状況になっている
とのこと。
来年は、各地の高校で、何らかの「想定外のことが起こる」と覚悟している。
ところで、「アルバイトして学費を貯めて進学させればいいのでは?」という
意見を聞くことがある。
高校の先生だけでなく、「お金の専門家」であるFPでも同じことを言ったりする。
しかし、フルタイムで働いたとしても、アルバイトで稼ぐことができる入学費は
しれている。
また、その間、勉強もしなくてはいけないし、生活費だって必要だ。
そのアルバイトも、減ったり、いきなり無くなるかもしれない。
私自身も1年浪人しているため、1年や2年の遅れは大したことではないということは
分かっている。
本人が希望しているのであれば良いが、不本意なのであれば問題だ。
若い他人の貴重な人生に対して、そんな無責任なことを言ってはいけないと思って
いる。
こんな状況でも、進学を諦めさせないようにする。
私がしなくていけないことは、これだと思っている。