本当の奨学金の利用者は誰なのか?

緊急事態宣言が全国一斉に解除されたため、奨学金講演の依頼をいただきつつある。

このところ、生徒を対象にした講演が続いたが、生徒たちと話していても、

奨学金は使ったら危ないらしい」と言う。

帰りの電車の中で、果たして「本当の奨学金の利用者は誰なのか?」と、ふと思った。

取り急ぎ考えられるのは…

政治家⇒①票田の獲得

    ②良い人としてイメージアップにつなげたい

FP⇒①高校で講演をして先生気分を味わいたい

   ②俺の人生や学校論を高校生に聞かせたい。私の子育て論を保護者に聞かせたい

   ③奨学金の認定講師(実務経験は全く無くても、台本が用意されているし、

    質疑応答はしなくてもいいのでバレない)として高校に入り込み、

    保護者と接触してあわよくば保険の販売など次の仕事につなげたい

といったことだろう。

「本当の奨学金の利用者は誰なのか?」

生徒や学生ではなく、実は、邪な考えを持つ大人たちなのではないかと、現場で実務を

していて思ってしまうのだ。

うちは内縁、事実婚ですが奨学金を利用できますか?

「うちは内縁、事実婚ですが奨学金を利用できますか?」

以前から離婚の相談はあったが、内縁や、最近は事実婚の相談も増えている。

内縁や事実婚に関するものとしては…

Q.父母は離婚し、生徒本人は母とその内縁の夫と3人で生活しています。

 「生計維持者」は誰ですか。

A.父又は母と内縁関係(事実婚)にある者について、内縁の夫又は妻と生徒本人が

 同一生計(当該者が生徒本人の学費や生活費を負担している場合や、納税時に生徒

 本人を被扶養者にしている場合)のときは、父又は母と内縁関係(事実婚)にある

 者が「生計維持者」になります。

https://www.jasso.go.jp/faq/shogakukin/moshikomi/yoyaku/seikeiiji/1190329_2662.html

生計維持者について

https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/kakei/seikei_izisha.html

生計維持者に係るQ&A【令和元年9月27日版】

https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/__icsFiles/afieldfile/2021/06/17/seikeiizisya_1_10.pdf

【令和2年度に採用された給付奨学生対象】寡婦寡夫)控除のみなし適用について

https://www.jasso.go.jp/shogakukin/saiyochu/kyufu/kafu.html

がある。

先日、高校2年生の生徒と話していると、

「うちは最近、新しいお父さん、と言えるのかな…まだ正式な結婚はしていない

そうなんですが同居しています。そんな場合でも奨学金の利用ができるのか心配で…」

言いづらそうに相談されたが、「珍しくも何ともないよ」と答えた。

奨学金は借金ですが、住宅ローンやクレジットカードでの支払いだって借金です

生徒が奨学金を利用することをとにかく反対する先生をお見かけすることがあります。

以前あまりにも私に敵対的な対応をされるため、「先生は住宅ローンを利用されては

いないのですか?」とお聞きすると「利用している」とのこと。

もちろん、考え方は人それぞれなのですが、住宅ローンや車のローンも借金です。

ネットで買い物をしてクレジットカードで払うと、翌月か翌々月に引き落とされます。

携帯電話も、水道光熱費も、たいていは翌月支払です。

支払が終わるまでは借金です。

現代のような信用経済の社会では、借金をせずに生活をするのは困難と言えます。

自分が借金をしていることに気づいていない。

むやみやたらと奨学金を否定するのではなく、借金と上手く付き合ってゆく方法を

生徒に教えることが大切であり、また我々大人としての責務ではないかとも思います。

なぜ法学部は不人気になったのか?

ある進学校の先生と話していると、最近は法学部を強く希望する生徒が減っている

そうだ。

理由をあれこれ話し合っていると、「夢がなくなったから」で意見が一致した。

先生曰く、「テレビのCMで消費者金融への過払金請求とかやってるでしょ。

無理してまで目指す価値は無くなっていると、生徒たちは思っているんじゃない

ですか?」

なぜ宅建業界には「ハト」と「ウサギ」の二つの団体があるのか?

なぜ宅建業界には「ハト」と「ウサギ」の二つの団体があるのか?

松元直希著「<論説> 宅地建物取引業の政策過程について」学習院学術成果リポジトリ

p.26-28に、二つの団体についての設立経緯が記されています。

glim-re.repo.nii.ac.jp

アンテナを高く張っていない営業なんて要らないと、高校の先生に言われたんですよ。コロナが収まったらとか、もうそんな問題ではないと思うんです。

先日、取引先の方と今冬以降についての打ち合わせをした。

あれこれ話していると、「長尾先生って、先生との話のネタになる、使える情報を

直ぐに教えてくれるじゃないですか。

あれって先生も助かるって言ってくれるんですよ。

少し前までは、進学イベントの案内やオープンキャンパスとかで何とかやれていたん

ですけど、最近はそれだけでは上手く行かなくなった。

結局、どこの会社も横並びなんですよね。似たような進学イベントとかでは差別化

できないです。

この前、ある営業担当者が先生に言われたそうです。

『毎回毎回同じこと言って。もう来なくていい。』

『アンテナを高く張っていない営業なんて要らないよ。』

コロナが収まったらとか、もうそんな問題ではないと思うんです。

実は、私のような講師も同じ問題を抱えていると言えるのだ。

話は続く

「最近、公認の奨学金講師ですとか言って、売り込んでくるFPがちょくちょく

いるんですけど、聞いたら高校での講演経験は1回だけとか話にならない。

そんな講師だったら、相談経験もせいぜい友達の相談聞いたくらいのものでしょ?

高校の先生からも噂を聞くんですよ。公認といったって質が低くて台本を棒読み

しているだけだって。それ聞いているんで最近は断っていますけど。

奨学金分野の講師は本当に不足しているんで、次もお願いします。」

奨学金分野で信頼できる講師は、日本全国を見ても10人もいないのではないか?

 

大学別の奨学金「滞納率」と「返済困窮率」

「数字作ってみた」に、奨学金「滞納率」と「返済困窮率」が大学別に載っています。

 

JASSO奨学金の延滞率(2018年度版)

https://tanuki-no-suji.at.webry.info/202109/article_1.html

JASSO奨学金の「返済困窮率」(2018年度版)

https://tanuki-no-suji.at.webry.info/202109/article_2.html