年収が高い家庭ほど

年収が高くても、奨学金の利用を希望される家庭をよく見かけます。

ネガティブな報道により、奨学金の利用に否定的な方は多くいますが、

年収が高い家庭ほど、利用に前向きなように感じています。

奨学金を利用する方が、「有利」と気付かれているからではないでしょうか?

奨学金の説明会も変化している

奨学金の説明会は、高校3年生の5月に多く開催されます。

予約採用の募集が始まることや、PTA総会と同時に開催できるからです。

しかし、最近では、2年生を対象としたご依頼が多くなっています。

保護者からの要望が主な理由ですが、早期に開催するメリットとして、

例えば、国の教育ローンの審査への対策ができることがあります。

国の教育ローンの審査では、公共料金などの滞納が無いか、通帳の確認が

あります。

そのため、早く開催することにより、滞納に注意するように呼びかける

ことができます。

他にもメリットはありますが、早ければ早いほど、場当たり的にならずに

資金計画を立てやすくなることは確かです。

また、選択肢も増えます。

奨学金の説明会も「対症療法から予防」に変わってきていると感じています。

来年度の奨学金の申し込みで注意することは

来年度から1種奨学金の貸与月額が新設されます。

例えば、私立大学の自宅外通学であれば、64,000円か30,000円を

選びますが、来年度の進学者からは、64,000円か50,000円、

40,000円、30,000円、20,000円から選ぶことになります

(今年度の予約採用申込時には現行の月額から選ぶことになる)。

しかし、最高月額である64,000円は、世帯の家計が一定の範囲

(併用貸与の家計基準と同じ)となります。

そのため、先の私立大学の自宅外通学であれば、64,000円と50,000円

の差額は14,000円、4年間にすると総額672,000円と無視できない

金額になります。

採用候補者決定通知により、最高月額を利用できるか否かが初めて判るため、

資金計画が立てにくくなることや、学費が足りなくなることも考えられます。

そのようなことから、併用貸与や2種、そして自治体などの奨学金との併用

(を不可としていることがあるため注意)も検討しておくことが求められます。

予算の枠内で行う必要があるため、1種を拡充しようとすると、皮肉なことに、

他にしわ寄せが来ることになります。

いずれにせよ、2種を併願しておくことの重要性は変わらないものと思われます。

浪人生と奨学金

浪人生や保護者と話していると、奨学金は進学後にしか申し込めないと勘違いされていることが多くありますが、2浪までは卒業した高校で予約採用を申し込むことができます。

しかし、秋に行われる2回目の募集は行っていない高校がありますので、早めの確認が必要です。

ところで、浪人が決まった生徒に、予約採用を申し込めることを伝えていない進路指導の先生が多いように感じます。

そのため、申し込めることを卒業前に伝えておく必要があると思われます。

奨学金の種類の選択で注意することは

日本学生支援機構奨学金を申し込む際に希望する種類を選びますが、「第1種と第2種の併用を希望するが、併用及び第1種が不採用の場合は第2種を希望します」を選ばれる方がいます。

併用か2種に採用された場合は、普通は問題ないかと思われますが、1種のみの採用となった場合は、足りない、足りなくなる可能性があります。

併用を希望されているのであれば、多くの貸与を必要されている方かと思いますので注意が必要です。

在学中にお金に困ったら

仕送りが間に合わない、盗難にあったなど、学生生活を送る中でお金に困ることがあります。

キャッシングなどに頼る学生がいますが、「学生金庫」などといった、緊急の際に貸し付ける制度をもつ大学があります。

少額ではあるものの、無利息であることが普通です。

いざというときに役立ちますので、調べておくと良いでしょう。